【脳トレコラム 短歌編3】創作活動が与える良い影響

てかぽこ

年を重ねても、いきいきとした毎日を過ごしたい。

年齢を重ねるにつれて、日々の健康や生活の質を維持することが徐々に難しくなるのは当然のことです。

しかし、そんな願いを叶える鍵が、実は「短歌」の中に隠れていました。

短歌という小さな創作活動が、脳に驚くほど良い影響を与えるのです。

短歌を詠むことで、言葉を紡ぎ、五七五七七のリズムを刻む。

その瞬間、あなたの脳は若々しさを取り戻します。

この小さな詩作活動が、単なる趣味の枠を超えて、あなたの人生に大きな影響を与えるのです。

てかぽこ

言葉の力で心と頭を元気にする旅に出かけましょう。

目次

言語能力の向上と記憶力の維持

短歌を詠むという行為は、実は脳にとって素晴らしい運動になります。

31文字という限られた音数の中で、自分の感情や思いを表現する。

この過程で、私たちの脳はフル回転するのです。

まず、言葉を選ぶ際に語彙力が鍛えられます。

「美しい」という言葉一つとっても、「麗しい」「艶やか」「華麗」など、様々な表現があります。

これらの言葉を探し、吟味することで、自然と語彙が豊かになっていきます。

例えば桜が散っていく様子を描写するとして「桜が散っていく」ではなく「しづ心なく 花の散るらむ」と表現することで、より具体的なイメージが浮かび上がります。

このようにして、詩人のような視点で物事を捉える力が養われるのです。

また、五七五七七のリズムを整えるために、頭の中で音を数えます。

これは計算力を使う作業です。

さらに、31文字という限られた中で表現するために、言葉を削ぎ落とし、凝縮する必要があります。

この過程で論理的思考力も鍛えられるのです。

例えば、「春に孫と公園で散歩に行った」という出来事から短歌を作る場合、春の情景、孫との触れ合い、その時の感情を31文字に凝縮します。

この作業は、脳にとって良い刺激となり、記憶力の維持にも役立ちます。

短歌を作る過程で、私たちは自分の経験や感情を振り返ります。

これは回想法と呼ばれる認知症予防の手法にも通じるものです。

過去の出来事を思い出し、それを言葉にすることで、脳が活性化されるのです。

感性を磨く短歌の効果

短歌は単なる言葉遊びではありません。

それは、私たちの感性を磨き、心を豊かにする力を持っています。

短歌を詠むためには、日常生活の中で起こる小さな出来事や、四季の移ろいにも敏感になる必要があります。

例えば、春の桜、夏の蝉の声、秋の紅葉、冬の雪景色。

これら四季折々の風景を観察することで、自然とのつながりを感じ、心が豊かになります。

このように短歌は、私たちの日常生活に美と感動をもたらすものです。

以下は短歌の一例です。

はるばると 母は戦(いくさ)を 思ひたまふ 桑(くわ)の木の実の 熟(う)める畑に
斎藤茂吉『赤光』

この一首から、戦争の影が落ちる平和な農村の風景と、遠く離れた地で戦う息子を案じる母の心情を鮮やかに感じ取ることができます。

この短歌は、日常の穏やかな風景(桑の実が熟す畑)と、それとは対照的な戦争の現実を対比させることで、より深い感情を引き出しています。

平和な日常と戦争の現実、母の愛情と不安といった複雑な感情が、わずか31音の中に凝縮されており、短歌の持つ表現力の豊かさを示しています。

また、短歌は自己表現の手段としても優れています。

喜びや悲しみ、怒りや驚きといった感情を31文字に込めることで、自分の心の動きをより深く理解することができます。

これは、感情のコントロールや、ストレス解消にもつながります。

例えば、定年後に図書館通う日々の楽しさを短歌にしてみるなど、前向きな気持ちを言葉にすることで、ポジティブな思考が育まれていくのです。

短歌のもう一つの魅力は、過去の感情や思いを振り返り、それを言葉にすることです。

例えば、幼かった頃の夏祭りや、初恋の甘酸っぱい記憶を短歌に綴ることで、その時の感情がよみがえり、脳に刺激を与えることができます。

さらに、短歌の創作は、想像力を刺激します。

31文字という限られた中で情景を描写するためには、豊かな想像力が必要です。

この想像力を働かせることは、脳の可塑性を高め、認知機能の維持・向上に役立つと考えられています。

短歌という小さな創作活動は、私たちの脳に多大な恩恵をもたらします。

言語能力を向上させ、記憶力を維持し、感性を磨き、想像力を刺激していくこと。

これらの効果が相まって、私たちの脳は若々しさを保ち続けるのです。

日々の生活に短歌を取り入れてみませんか?

家族や友人と一緒に短歌を詠み合うのも素敵です。

きっと、新たな発見と喜びに満ちた日々が待っているはずです。

言葉の力で、心も頭も若々しく。

そんな豊かな人生を、短歌と共に歩んでいきましょう。

この小さな詩作の習慣が、あなたの人生に新たな彩りを加えるでしょう。

最後に、日常を輝かせる短歌の魅力を感じる素敵な作品を一つご紹介します。

春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる
服部真理子『行け広野へと』

「春だね」とおしゃべりをしていたら、それを聞いた犬が「呼ばれた!」と思いこんで近寄ってくる。

全てのものが幸せな気持ちになる春の喜びが感じられますね。

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