問題1 次の短歌の□に入る言葉は何でしょう?
君待つと わが□□をれば わが屋戸(やど)の すだれ動かし □の風吹く
額田王(ぬかたのおおきみ)
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君待つと わが恋ひをれば わが屋戸(やど)の すだれ動かし 秋の風吹く
『あなたが訪ねてくるのを心待ちにしていると、戸のすだれが秋の風で動き、私はハッとするのです。
あなたではないかしらと。』
額田王が天智天皇を思って作った和歌です。
問題2 次の短歌の□に入る言葉は何でしょう?
もの思へば沢の□□□も我が身よりあくがれいづる□かとぞ見る
和泉式部(いずみしきぶ)
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もの思へば沢のほたるも我が身よりあくがれいづる魂(たま)かとぞ見る
『あの人を恋しく思っていると、水辺の蛍も私の体から抜け出していった魂なのではないかと思うのです。』
『あくがれいづる魂』は『体から抜け出してさまよう誰かを思う心』という意味です。
平安時代はそのように考えられていたのですね。
問題3 次の短歌の□に入る言葉は何でしょう?
ももづたふ 磐余(いはれ)の池に 鳴く□を 今日のみ見てや □□□なむ
大津皇子(おおつのみこ)
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ももづたふ(う) 磐余(いはれ)の池に 鳴く鴨(かも)を 今日のみ見てや 雲隠り(くもがくり)なむ
「この池に鳴く鴨を見るのも、今日を限りとして私は死んでゆくのか」
「雲隠れ」は死ぬことを意味します。
天武天皇の子、大津皇子は文武に秀でていましたが、天武天皇の死後、反逆罪で奈良の磐余の池のほとりで処刑されます。
妃の山辺皇女は、悲しみのあまり、裸足で遺体にかけより、そのまま殉死しました。
問題4 次の短歌の□に入る言葉は何でしょう?
君が行く 道の長手を 繰り畳ね □□□□□□ 天の火もがも
狭野茅上娘子 (さののちがみのをとめ)
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君が行く 道の長手を 繰り畳ね 焼き滅ぼさむ 天の火もがも
(きみがゆく みちのながてを くりたたね やきほろぼさむ あめのひもがも)
「遠くへ流されていくあなた。
二人を隔てる長い道を、手繰りよせてたたんで、焼き尽くしてしまう天の火がほしい。」
作者は奈良時代の女性歌人です。
夫の中臣宅守(なかとみのやかもり)が流罪となってしまった悲しみが強い言葉で詠まれています。
「天の火」は全てを焼き尽くし禍(わざわい)をもたらすような天の火・雷を、「もがな」は「~が欲しい」を意味します。
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